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フィリップ賛。 [映画]

大好きなフランスの俳優、フィリップ・ノワレさんが亡くなりました。

【訃報:フィリップ・ノワレ氏76歳=フランスの俳優】
映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の映写技師役などで知られ、フランス映画の最高賞である
セザール賞の主演男優賞を2度にわたって受賞したフランスの男優、フィリップ・ノワレさんが
23日、死去した。76歳。代理人の話としてフランス公共ラジオなどが伝えた。フランスのテレビ
は死因をがんと報じた。
ルイ・マル監督の「地下鉄のザジ」(60年)で名を知られるようになり、以後、喜劇からシリアスな
作品まで100本以上の映画に出演。幅広い役柄を演じた。
75年の「追想」で最初のセザール賞を獲得。89年の「素顔の貴婦人」で2度目の受賞。日本でも
大ヒットした「ニュー・シネマ・パラダイス」(88年)では年老いた映写技師のアルフレード役を演じ
た。他の代表作に「イル・ポスティーノ」(94年)など。(共同)

…合掌。

大好き、といっても、観たことがあるのは「ニュー・シネマ・パラダイス」と「イル・ポスティーノ」くらい。
でも、この彼の代表作の2作品の印象がとにかく強いのですよ。
ニュー・シネマ・パラダイスの、あの老映写技師。
イル・ポスティーノの亡命した詩人。
どちらも、いろんな人生を背負って、含蓄のある言葉を紡ぎ出します。
巧いなぁ。この人が出ているだけで、世界が作られていきます。ほんと、良い俳優さんでした。

で、イル・ポスティーノは、その作品内容も気になったのですが、彼が出ているから観てみようって
思ったのでした。結果、大当たりでしたけど、ね。
きっと、脚本を読んで、これなら、と思って出演されたのでしょう。
だから、この人が出ているならきっと良いんだろうなって思って、観客も観るんです。きっと。

で、この訃報を目にした後、ふと考えました。日本に、そういう役者って誰がいるんだろう?
その人が出ているだけで、その映画を思わず観たくなる役者…。

昔だったら、笠智衆さんや原節子さんなんかが、そうだったんでしょうね。
では、今ならば、誰か。

個人的な意見ですが、私は山崎努さんと松たか子さんが、そうですね。

山崎さんは、とにかく個性的で、どんな役を演じても自分を表現しています。
例えば、話題になった映画「GO」でも、主演の窪塚さんを完全に「食って」いますもんね。
あの存在感は、本当に素晴らしいと思います。彼が出ているなら、映画だってドラマだって、観て
みようかな、という気になりますね。

松さんは、とにかく雰囲気を作れる役者さんだと思います。
先日放送されたドラマ「HERO」の特別版も、最後にちょっとだけ登場しましたが、出てきてほんの
数秒で、もう"松ワールド"真っ只中。雰囲気がガラリと変わります。これ、他の役者にはない能力
ですね。持って生まれたものかもしれませんが、私はとても魅力を感じています。
まぁ、今放送されているドラマは、藤田まことさんの役柄が合っていなくて苦労されていますけど。

と、そんなことを、フィリップ・ノワレさんの訃報に接して考えていました。

さて、ニュー・シネマ・パラダイスでも観てみましょうかね。また泣くんだろうなぁ…。


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コメント 1

えげ

P.ノワレさんが亡くなってしまったんですね。
「イル・ポスティーノ」。オイラも大好きです。
オイラが観た当時は、主演の“郵便配達人”M・トロイージがこの映画がクランクアップした後、急逝したのが大きな話題だったのを思い出しました。
この映画で特に印象に残ったのが「隠喩」です。
P.ノワレ演じる亡命詩人が主人公に教えたんですよね。で、彼はそれで恋する彼女に手紙を出す。
いいですねぇ。ネガティブな隠喩が氾濫する世の中では、この幸福な隠喩の連鎖は憧憬の眼差しで見てしまいます。
久しぶりにもう一度観ようと思います。
by えげ (2006-11-29 00:10) 

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