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鉄道員。 [映画]

今日の昼、会議のお弁当を食べていたら、何か硬いものを噛んだ感触が…。
ありゃ?
でも、口の中には何も残ってはいません。
で、歯を探ってみると、上の奥の方の歯の詰め物がなくなっているではないですか。
うーむ。飲んじゃったらしい。
大丈夫かなぁ。職場の人たちに聞いたら、平気らしいのですが。

ま、いいか。

で、今日のお題は、映画「鉄道員(ぽっぽや)」。
いえ、何を突然とお思いでしょうが、さっき原作本をちらちらと読み返しておったので、これを書いて
います。また泣きそうになっちまった。
この小説、ベストセラーでしたから、ご存知の方も多いでしょうが、浅田次郎さんの出世作。
第117回直木賞受賞作ですな。
いやー、泣いた泣いた。
「鉄道員(ぽっぽや)」という本は、そのタイトルの小説をはじめとした短編集なのです。
全部、死者との関わりをテーマにしています。で、幽霊が出てきたりもしますが、ぜんぜん怖くは
ありません。
私は、この中に収録されている「ラブレター」という小説が大好きでねぇ。泣けますよ。これ。
中井貴一さんの主演で映画化もされてますね。

閑話休題。

で、映画「鉄道員(ぽっぽや)」。
1999年に降旗康男監督、高倉健主演により映画化され、2000年度日本アカデミー賞の最優秀
作品賞、最優秀主演男優賞など主要部門をほぼ独占した名作です。

高倉健さんの希望で、志村けんさんなども登場してましたね。けっこう良い味、出してました。
ストーリーは、北海道の小さな駅を一人で守る駅長が、人生の最後で体験する幸せな不思議な
出来事です。
幼い頃に娘を病気で亡くし、奥さんも先立ってしまい、廃線になろうかという小さな駅を、頑固に
守る昔気質の男。うーむ。高倉健、かっこいいです。見事。
でね、定年で退職する直前、小さな女の子が駅に現れます。妙に人懐っこく、部屋にあがって
ゴハン食べたりします。で、帰った後には、小さな人形の忘れ物が。
その翌日。小学生の女の子が、人形をとりに来たと現れます。昨日の女の子のお姉さんのよう。
また駅長と遊び、夜になって帰って行きます。
で、またその翌日。今度は高校生の女の子が現れます。一人暮らしで寂しい駅長にゴハン作って
あげたり、かいがいしく世話をやきます。
ここで、駅長は気づきます。これは、亡くなった娘ではないのか?あの人形は、私が娘に買って
あげたものではないのか…。
そうなんです。娘が、退職を前にした父親のところに、見せられなかった成長過程を見せに現れ
たのです。なんて親孝行な…。

でね、映画では、この娘を広末涼子さんが演じています。
これが上手いのよ。ものすごく。
ストーリーもわかっているし、あ、来た来た、これだぁ、とわかっていたのに、号泣。
高倉健さんの他にも、大竹しのぶさんとか小林稔侍さんとか名優が大勢出演していますが、この
広末涼子さんは、ほんとすごいです。他の出演者、はっきり言ってかすんじゃってます。

広末涼子という女優、いろいろとお騒がせな方のようですが、役者としては、私、大好きですね。


県庁の星。 [映画]

昨夜(金曜日)も終電で帰り、ヘロヘロなのにヤフーが無料で配信しているアニメなんぞを遅くまで
観てしまい、結局、寝不足。
あ、「ガッチャマン」観てました。はい。最終回は、あんな話だったんですねぇ。

で、今日の土曜日は昼間は師匠の引越しの手伝い(ほんのちょっとだけど、ね)をやって、夜は
近所の映画館「ユナイテッドシネマ豊島園」へ行って参りました。

そう、是非観たいと思っていた「県庁の星」です。

良い。うん。かなり、良い。
織田裕二、サイコー。柴崎コウ、いい感じです。

ストーリーは書きませんが。原作のエッセンスはきちんと残しながら、映画用に新たな設定や展開
を加えてまして、これがなかなかいい味出してます。
巨悪・権力に立ち向かう正義感とか勇気とか、そういうのをテーマにしていますが、そこへ向かう
ようになる主人公の気持ちの変化を丁寧に描いてあって、すんなりとストーリーの中に入ることが
できました。
いやー、人生、逃げちゃいけませんな。結果はどうであれ、ね。

で、原作では、県庁からつぶれそうなスーパーに研修に来た主人公の教育係りはオバサンだった
のですが、これが柴崎コウになっているんですよ。
これがね、性格キツイけどいいヤツって役どころを見事に演じていて、見事。適役。
そう、全編、役者の配役がいいんですよ。なかなか、これだけ納得いく感じなのもないですな。
見事でした。うん。

是非、ご覧ください。すごく良いですよ。


エリザベスタウン [映画]

今日は勤労感謝の日で休み、暇だったので映画、観てきました。
「エリザベスタウン」。

いやー、アメリカンな映画でした。いえ、良い意味で、ね。
ストーリーは、あ、これから観る方もいるでしょうから簡単に言いますが、物語は主人公の青年が
仕事で大失敗して会社に大損害を与え、落ち込んでいるところから始まります。
泣きっ面に蜂とはこのことで、彼女にはフラれるわ、大好きだった父親まで急死します。
で、父親は故郷に里帰りしているところで亡くなったので、そこへ遺体を引き取りに向かうのです
が、その飛行機の中でスッチーと知り合います。このコとの出会いが、後々大きな影響力を持って
くるのですが…。
ま、そんで、父親の地元の親戚たちとの交流を通じて、主人公は少しずつ立ち直っていく、という
感じで話は流れていきます。まぁ、大どんでん返し、みたいなことはないですね。
淡々と、爽やかに物語は進んでいきます。
でね、何がアメリカンかっていうと、葬儀が明るいのよ。とにかく明るく、楽しくあの世へ送るって
いうコンセプト。まぁ、どこでもそうとは限らないだろうけど、アメリカっぽかったなぁ。

でも、なんか少し勇気付けられるような、良い映画でした。
車でどこか、のんびり旅行しようかなぁ。

で、一番印象に残ったのは、主人公のオーランド・ブルームのかっこよさ。

コイツ、すごいですよ。マジで。売れますね、きっと。
って売れてるのか、もう。


イル・ポスティーノ [映画]

えー、珍しく昨日の続きです。

で、「イル・ポスティーノ」。1995年イタリア映画。監督はマイケル・ラドフォード。
これ、あまり事前情報を持たずに、何気なく観に行ったのですが、「感動した!」のでした。
簡単なストーリーを書きますと、とある田舎の漁師町に住む、これといって取り得もやる気もない
一人の郵便配達人の男。そこへ、ある国の国民的英雄の詩人が、政治亡命して逃れて来ます。
そこへ、毎日たくさんの手紙を運ぶうちに、この郵便配達人と詩人の間に友情が生まれます。
詩人は彼に「言葉の力」を教え、そしてそれに応えるように彼もまた詩の才能を見せる。
詩人に手ほどきを受けた彼は、密かに想いを寄せていた女性に詩を贈り、見事、恋愛成就。
そんな中、詩人は許しが出て故国へ帰る…。
ラストは書きませんが、なかなか深い感動を与えてくれます。

で、何が良かったって、この郵便配達人の役の俳優の演技がすごい。
詩人役は、昨日も書きましたが「ニューシネマパラダイス」の映写技師役の名優、フィリップ・
ノワレなのですが、それを凌駕し、素晴らしい演技を見せてくれています。

すごいなぁ、なんて役者なんだろう、他にどんな作品に出ているのか、これからも楽しみ、なんて
思っていたのですが、観終わって解説を読んでびっくりしました。

彼の名前はマッシモ・トロイージ。1953年生まれ。
最初、コメディアンとしてテレビで人気が出た後、脚本や監督も手がけ、イタリアを代表するアーテ
ィストとなる。89年にはベネチア映画祭で最優秀男優賞を受賞。

…と、ここまではいいのですが。

彼は心臓に持病を持っていて、若い頃、大手術も経験していたらしいのですが、この映画の撮影
中に発作を起こし、医者からは心臓移植しか助かる道はないとの診断を受けます。しかし、彼は
映画の完成まで手術を延ばし、なんとクランクアップの翌日、亡くなっていたのです。

そんな後日談を聞いて映画を思い起こすと、そうかぁ、そんな覚悟で演じていたのか、と一層、
感慨深く思えてきます。
ナポリ沖合いの小さな島の、これでもかと美しい風景と、二人の心の交流。
いやー、いいのよ、これ。
是非、ご覧ください。

ちなみに、この詩人、実在のモデルがいました。
チリのパブロ・ネルーダ(1904-1973)だそうです。外交官でもあった彼は、レーニン平和賞や
ノーベル文学賞を受けており、映画の設定となった島に亡命して滞在していた時期があったそうな。

バンドネオンを使った音楽も素晴らしく、時々テレビなどでBGMとして使われています。

いやー、映画って、ほんとに良いもんですねぇ。


トルナトーレ。 [映画]

テレビっ子の私は、部屋に帰ると電気を点けるのと同時にテレビを点け、寝るまですっとテレビを
観ながら生活しています。
で、今日はちょっとのんびりと、久しぶりにテレビを消してCDを聴いとります。
聴いているのは、『YO-YO MA Plays ENNIO MORRICONE』。
チェリストのヨーヨー・マが、イタリア映画音楽の巨匠:エンニオ・モリコーネの作品を演奏している
夢のような1枚。

で、このエンニオ・モリコーネといえば、やはりジュゼッペ・トルナトーレ監督となります。
この監督の作品は、全てモリコーネが曲を提供しています。
「ニューシネマパラダイス」「海の上のピアニスト」「マレーナ」…。
以前にも書きましたが、私はこの監督の映画が好きでねぇ。
出会いは「ニューシネマパラダイス」でした。
あの音楽と、トト少年の笑顔に惹かれて映画館へ行き、周囲の目も気にせず泣きましたねぇ。
なんて泣かせ方の巧い監督だろうと思いました。で、きっとかなり歳を召した方だろうと思ったら、
なんとあの映画を撮ったのはまだ30歳台の時!
末恐ろしいとはこのことで。

それから、イタリア版「東京物語」とも言える、「みんな元気」を観ました。
これは、名優マストロヤンニが、イタリア各地に散らばっている子供たちの所を尋ねて廻るのです
が、みんなそれぞれ勝手に生きていて、親のことなんか考えていないのです。でも、お父さんは
それでもみんなが元気にがんばっていてさえくれれば、と健気に訪問して廻るのです。
なんか、小津安二郎の「東京物語」、そのままの世界。いえ、真似しているとかそういうんじゃな
くて、そんな物語を日本とイタリアという離れた国でもそれぞれ描いているのが興味深いですね。
あ、これだけは手元に資料がなくて、モリコーネとのコンビだったかどうかは不明です。深謝。

で、次に公開されたのは「海の上のピアニスト」。
これは、豪華客船の上に捨てられた赤ん坊がピアノの名手となり、一生船の上から降りることなく
最後は船と運命を供にする…と書くと全然物語が伝わりませんね。
ま、観てください。とにかく、モリコーネの音楽と映像が相乗効果をあげていて、素晴らしい出来
となっています。

で、その次が「マレーナ」。
ものすごく美しい女性に憧れる少年と、その女性を翻弄する戦争。そんな物語です。
これも巧く説明できないや。観てください。とにかく、まず、主演のモニカ・ベルッチの美しさに目を
奪われます。で、それでドカンと一発かましておいて、物語の世界に引き込む…。
うーん、巧い。イタリアの田舎町の風景も美しく、この監督、ほんとにイタリアが好きなんだなぁ、と
思わせます。

そんなこんなで簡単に影響を受けてしまう私は、一時期「イタリア語会話」の本を読んだりして
おりましたが、難しいんですよ。もう、お手上げ。
そりゃそうだ、英語すらモノになってないのにねぇ。

でも、いつか必ず、「ニューシネマパラダイス」の舞台に行ってみるつもりです。
しかし、いかんせん、出不精(デブ症ではない!)なもので、さて、いつになりますやら。

そうそう。

イタリア映画では、トルナトーレ監督ではないのですが、「イル・ポスティーノ」という映画が大好き
なのです。
あ、「イル」は男性名詞につく定冠詞。(女性名詞には「ラ」ですな)
英語にすると「The Postman」。郵便配達人と詩人の交流のおはなし。
「ニューシネマパラダイス」で映写技師アルフレッド役を演じたフィリップ・ノワレが出ています。
これについては、また後日。


たけし。 [映画]

昨夜、テレビでやっていた映画「座頭市」を観ました。
北野武監督の、あれです。
彼の監督の作品はいくつか観ていますが、これは初めて。

で、感想は。

すごいですねぇ。面白い。ほんと、タダモンじゃないですね、たけし。
細かなディテールにも凝っているし、音も、映像も、全て計算されているっていう感じ。
それでいて、良い意味の無駄というか、遊びもあって、素直に楽しめました。
こりゃ、海外で高い評価も受けますねぇ。

以前にも書きましたが、私は日本映画が大好きです。
あ、ハリウッドなんかの真似をしていない、小津からの流れをくんでいる、日本映画ですけどね。
たけしの映画は、バイオレンスシーンなんかが多くてハリウッド的なのかな、と最初の頃は思って
いましたが、「Dolls」などを観て驚きました。淡々と画面が流れていくのですが、それでいて話は
自然と深い世界へ引き込んでいきます。でも、フランス映画のように「わかるヤツだけがわかって
くれればいいんじゃい」というプライドの高い感じじゃなく、丁寧に伝えたいことを伝えようとする
気持ちが伝わってきます。
これって、まさに小津安二郎の映画ですよねぇ。黒澤監督がたけしに「後は頼む」と言ったそうで
すが、その気持ち、わかるような気がします。(って、生意気なこと言ってますね。私。)

同様に、テレビで毒舌で売っている井筒監督の映画も大好きです。
「パッチギ!」は恥ずかしながら観ていませんが、大学の頃に観た「宇宙の法則」や、「のど自慢」
など、必ずメッセージが込められているし、ほろっと泣けるシーンもあります。
偏見ですけど、これ、スターウォーズにはないんだよなぁ。

というわけで、スターウォーズファンの皆さま、反論をお待ちしております。はい。


映画。 [映画]

今日はオーケストラの練習があるものだとばっかり思っていたら、休みでした。
早めに出発して、楽器屋へ寄って買い物して、さて念のため確認をと携帯のサイトを見たところ、
ありゃ?今週はなし?こんなことなら、映画でも観てのんびりすればよかった。

ということで、思いついた映画の話。

映画、けっこう好きです。
が、ハリウッドの派手な映画は全く駄目ですね。スターウォーズなんて、興味なし。
だって、あの映画、ストーリーってありますか?なんか簡単な物語で、こう深い感動みたいなものは
感じられません。(2作目くらいまでしか、ちゃんと観ていませんけど…)
映像美っていうことならわかりますが、私はそれより、こう泣いたり怒ったりできるような、ストーリー
のある映画の方が好きです。

そんな偏見に満ちた私の映画鑑賞ですが、私の中でナンバーワンの映画はずっと変わりません。
中国映画の「芙蓉鎮」という作品です。
文化大革命の頃の庶民の暮らしを描いた映画。
暗いといえば暗いのですが、観終わった後、なんかこうがんばって生きて行こうっていう気になり
ます。

他に好きで何度も観ているのは、イタリア映画の「ニューシネマパラダイス」。
これ、男性と女性で全然受け止め方が違いますね。男性の方が泣けて、感動するみたいです。
この中で、好きな女の子に想いを伝えられない主人公に、父親みたいな存在の老映写技師が話す
寓話があります。
『ある国の美しいお姫様に、名も無い兵士が恋をします。あまりの身分の違いに諦めようとします
が、どうしても諦めきれない。
で、思い切って気持ちを伝えたところ、姫は「私の部屋の窓の下に100日の間ずっといてくれたら、
私はあなたと結婚します」と言うのです。そんなことは出来ないから、諦めさせようとしたのですね。
しかし、その兵士は窓の下に椅子を置き、雨の日も風の日も、ずっとずっと待ち続けます。
体は干からびてボロボロになり、生きているのかどうかわからなくなっても、兵士は待ち続けます。
しかし、99日目。あと1日というところで、なぜか兵士はその場を立ち去ってしまう…』、というもの。
その理由について、映画の中では、こう語られます。
「姫は、約束はしたものの、それを守れるかどうかはわからない。でも、もし約束が守られなかった
ら、兵士は落胆して、もう生きていく気力もなくなるだろう。しかし、99日目で立ち去れば、もしあと
1日待てば、きっと姫は僕のところへ来てくれたんだっていう想いを胸に抱いて、生きていくことが
できる。だから、1日前に、兵士はその場を立ち去ったんだ…」

うーん。深い。

ちなみに、映画の中では、若い頃の恋愛の終わりをきちんと整理できなかった主人公は、大人に
なってからもきちんとした恋愛が出来ずにいますが、これ、考えさせられますなぁ。

と、トイレの夢みたいな話は置いておいて。

閑話休題。

他には、日本映画も好きです。
古くは小津安二郎の「東京物語」なんてぇのも好きですし、寅さんでは泣きますね。
「異人たちとの夏」という映画では、部屋でテレビでやっているのを観てボロボロ泣いてしまいま
した。これ、原作が山田太一、脚本が市川森一、監督が大林宣彦という夢の布陣で作られた
映画で、小さい頃に亡くなった両親に、中年になった主人公が出会うという話。(その両親は、
実は幽霊なんですけどね。浅草のすき焼屋で一緒に食事している時に、すーっと消えていく場面
で、ボロボロ泣きました)
小説も映画も、どっちも良いですよ。是非、お薦めです。
あと、大学の先輩だからってことではないですが、周防監督の作品も好きですね。
「ファンシィダンス」「シコふんじゃった」「Shall We Dance?」どれも楽しいし、その中に深い意味が
込められています。
日本映画が元気ない、良い作品が出ないって言われますが、そんなことはないと思っています。
思いつくままに挙げてみても、「バタアシ金魚」「宇宙の法則」「バナナシュート裁判」「青春デンデケ
デケデケ」「阿賀に生きる」「泥の川」「優駿」などなど。
日本映画、もっと評価されて良いと思うけどなぁ。

映画には結構いろんな思いがあるので、そのうち、また登場します。はい。


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